今回からは遂に『新世界』のワイン達の勉強が始まります。
新世界とは大航海時代以降にワイン造りが広まった地域を指し、
今回の授業では、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、日本を勉強しました。
伝統国と新世界のそれぞれの特徴はコチラ!!
伝統国 | 新世界 | |
---|---|---|
歴史 | 紀元前 | 大航海時代 |
哲学 | 主にテロワール主義 (土地) ↓ | 主にヴァラエタル主義 (単一品種) ↓ |
ラベル表記 | 生産地がメイン | 品種がメイン |
ワイン法 | 産地・品種・タイプ等 細かく規定 | 産地中心に規定 |
適地・適品種 | 確立されている | 模索中 |
今回勉強していく新世界は、まさに新しい事にチャレンジ中の発展途上の状態です。
特にワイン法での規定での違いが顕著で、
- 伝統国…このエリアはこの品種、ワインのタイプはこれ(赤・白・ロゼ等)、規定通りでないとAOC名乗れませんよ!!
特にシャンパーニュは製造方法の規定も満たさないとダメ!!
→とても厳しい!! - 新世界…産地を名乗るのに、品種やワインのタイプの縛りなどはあまりないですよ!!
→規制がゆるめ♪
なので伝統国では考えられなかった方法で造られたワインがあったり、
伝統国の技術を違う土地で駆使したらどうなるか?のような試みも行われています。
更に地球温暖化の影響でちょっとでも冷涼なブドウの栽培に適した土地を見つけようという動きがあるので、
何十年後にはまた違ったワイン新興国が出てくるかもしれません。
今回は『オーストラリア』の授業の内容の復習を書いていきます。
オーストラリアのワイン
オーストラリアの概略
- 国土が広く、その面積は全ヨーロッパの7割に相当する。
- 栽培面積は南緯31~43度の間で、ボルドーと同じくらいの面積。
- 生産したワインの6割は輸出される。
- 地理的呼称=G.Iがある。品種は自由。
オーストラリアの品種
白ブドウ
- シャルドネ…オーストラリアのメジャーな白の品種と言えばシャルドネになります。
温暖な地域だとトロピカルで濃厚な味わい、冷涼な地域だとカンキツ系のサッパリ感、やはりシャルドネなので造り手によっても変わってきますが、国内の様々な地域で栽培されています。
黒ブドウ
- シラーズ…こちらはTHEオーストラリア!!と言っても過言ではないくらいメジャーな黒ブドウ品種です。シラーと同品種ですが、オーストラリアだとシラーズと呼び名が変わります。スパイシーで野性的、果実味もしっかりあるのでまさにお肉をガツンと合わせたい味わいです。
オーストラリアの銘醸地
西オーストラリア州(高品質・高単価)
かなり高品質かつ、お値段も高めのワインが多く生産されている地域になります。
この地域ではボルドー品種が評価されています。
有名な産地
・マガレット・リヴァー … 白:シャルドネ 黒:カベルネ・ソーヴィニヨン
南オーストラリア州(最大)
オーストラリアでも最大の生産地域になります。
中でもアデレードに拠点を構える、『マルチリージョナルブレンド』という方法で
造られたワインが人気のペンフォールズや、
イーデン・ヴァレーにヒルオブグレイスという単一畑を持つヘンチキなど、
オーストラリアの双璧をなす人気ワインの生産者を有する地域でもあります。
有名な産地
1.バロッサ・ヴァレー … 黒:シラーズ(シラーズの首都ともいわれる場所)
2.イーデン・ヴァレー … 白:リースリング
3.クレア・ヴァレー … 白:リースリング→ “クレアリースリング”とも言われる。
4.クナワラ … 黒:カベルネ・ソーヴィニヨン
ヴィクトリア州(冷涼)
冷涼な地域なので、ブルゴーニュ品種が評価されている地域になります。
有名な産地
・ヤラ・ヴァレー… 白:シャルドネ 黒:ピノ・ノワール
なのでスパークリングも美味で、シャンパーニュで有名なモエ・エ・シャンドン社が
ヤラ・ヴァレーに設立した『シャンドン』 というドメーヌもあります。
ニューサウスウェールズ州(発祥)
ここからオーストラリアのワイン造りが始まったとされる
オーストラリアワイン発祥の地です。
有名な産地
・ハンター・ヴァレー … 白:セミヨン→ “ハンターセミヨン”とも呼ばれる。
プレミアムワイン
オーストラリアの中でも特に高い評価を受けているワインを2つご紹介します。
ペンフォールズ グランジ Penfolds Grange
旧世界のワインは『どこの畑で収穫したブドウか?』というのが非常に重視されてきました。
そんな中、「様々な畑や地域から最高のブドウを集めて、理想のワインを造る」という
「マルチリージョナルブレンド」という考え方のもとこのワインは造られました。
サッカーでいうとバルセロナよりレアルマドリード。
オーケストラでいくと、ウィーンよりベルリンといった感じでしょうか?
育った環境というより各地の最高のブドウを集結させてブレンドする事により、
品質を一定以上に保ち続けるというのが狙いです。
世界的なワイン評論家のロバート・パーカー氏や、ワイン評論誌「ワインスペクテーター」でも
100点満点を獲得してる傑作ワイン!!
価格もプレミア価格で取引されているようなので、いつかどんな香りや味わいなのか飲んでみたいですね。
ヘンチキ ヒルオブグレイス Henschke Hill of grace
ヨハン・クリスチャン・ヘンチキさんによって始められたブドウ畑が起源となっています。
こちらは先程のペンフォールズに対して徹底的に『単一畑・単一品種』にこだわっています。
特に知名度の高い単一畑が『ヒル・オブ・グレース』
こちらは南オーストラリア州のイーデン・ヴァレーにあります。
まず樹齢が『150年』にも及ぶという事で既に驚きなのですが、
フィロキセラという害虫の被害に合わなかったという、
現在では超々希少な樹からとれるシラーズ100%ワインが
ヘンチキのヒルオブグレースです。
ペンフォールズのグランジとこのヒルオブグレースは
双方の造り方の違いも含めて
オーストラリアで双璧をなす人気ワインと言えます。
スクリューキャップ
あとオーストラリアと言えば、ワインの栓に関して革命を起こしました。
それが今では大分普及してきたと思いますが、
スクリューキャップを初めて導入した国がオーストラリアになります。
スクリューキャップの利点で一番大きいのは
『ブショネ』を防げる事です。
ブショネとは、汚染されたコルクによりワインの品質が劣化してしまう現象をいいます。
とても楽しみにしていたワインが、ブショネで全く美味しくなかったというのは悲しいですよね。
それが記念日だったり、かなり高価なワインだったりしたらそのショックは計り知れません…
当時はソムリエさんや、コルクメーカーなどのしがらみで導入が出来なかったようなのですが、
クレア・ヴァレーの生産者が2000年ヴィンテージから一斉に変えた事で普及しました。
今ではオーストラリアだけでなく、様々な国のワインでも見かけるようになっています。
終わりに
今回は『オーストラリア』のまとめでした。
授業を聞いていた時、思い出したことがありまして、
『イエローテイルのシラーズ』というワインが、
私が日常的にワインを飲むきっかけを作った一本になります。
ベリー系の香りと、飲んだ時の果実味のパンチ力がとても飲みやすく気に入り、
お弁当の具材と一緒に、気が付くと買って帰るようになっていました。
スクリューキャップだったのも初心者からするとありがたく、
コルクを抜く為の道具を用意しなくても良く、
そもそも『コルク上手に抜けるかな?』という不安もなく、
飲み残してもキャップを閉めておけば簡単に保存できるという点も
ワインを飲むハードルを下げてくれた一因だと思っています。
あとオーストラリアのワインはお手頃な価格の物でも、
比較的ハズレが少なく、早い時期から飲めるという点も
安定志向の私からするとありがたかったのでした。
次回は新世界のワインから『ニュージーランド』と『南アフリカ』をまとめていきますので
そちらもよろしくお願いします♪
青柳 伊織 Iori Aoyagi
『マダムM』との出会いから、モテたい一心でワインを勉強し始めるも、本格的に沼に落ちる。今ワインに言える事は『大好きです。今度は嘘じゃないっす。』ワイン友達を増やして、その仲間と『ロマネ・コンティ』をワイワイ開けるのが夢。ワイン初心者の私がぶつかった疑問や、経験の記事を書いています。
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