はじめに
それは春。出会いと別れの季節。何かを始めるにはうってつけの季節である。
という事で何かしたい。このままなんとなく死んでいくのはもったいない。モテたい。とあがいていたところ、友人の知り合いの『マダムM』さんの勧めもありワインを勉強しようと思い立ったのである。
決め手は
『ワインに詳しい男性はモテるわよ』
これに限る。
その魔法の様な言葉を聞いたとたん、私はモテモテになっている自分の未来を、幻視させられていたのだった。『マダムM』の話術恐るべし。この時点で『ワインを勉強する』という断固たる決意が私の中で固まっていた。
あと『マダムM』はこんな事もおっしゃっていた。
『いろんな世界、年齢、業界の人と友達になれるわよ。』
ワインという共通言語を持つと、世界、年齢、業界など様々な垣根を取っ払ってしまうらしい。なんて面白そうな世界なんだろうか。
『女の子にちやほやされよう』という下心100%の下卑た思いを原動力に、この春、私はワインの世界に飛び込んだ。
目的はもちろん『モテモテになる事』純度100%の下心は揺るがない。そして、その過程で様々な方々と交流し、勉強した知識を使ってスーパーなどで売られているワインを、料理や気分に合わせて選べるようになれる事。
まずは『マダムM』にお勧めして頂いたワインスクールの無料体験の時の話を、初心者が感じたまま、気取らずありのまま書いていこうと思う。楽な気持ちで読んで頂ければ幸いだ。
ワインスクール無料体験記
前書き
そう何事も環境が大事である。私は今までの人生で自分から勉強をしたことなど一度も無い。そんな私が勉強するにはどうすれば良いのか?
答えは、強制的に勉強しなければならない環境に身を置く事である。
人間の意志力というのは全くあてにならない。毎日コツコツやろうと決めても3日が限度だろう。
しかし、かっこつけたい、恥をかきたくないという気持ちや、まわりがやっているから自分もやろうという心理は使い方次第で武器になる。勉強で得た知識を使える場所があると尚良いだろう。
ということで、ワインの学校に入ってしまえばこのだらしない私でも勉強せざるをえまい。
そして『マダムM』にお勧めしてもらった学校の無料体験会へと足を運んだのだった。
いざ無料体験会へ
『ビギナークラス』というワインを初めて勉強する人用のクラスの体験会に参加した。
そこで私に衝撃が走る。
講師の先生がとてつもなく美人なのである。
えっ?モデルさん?顔ちいさい!!
きっと並んで立ったら同じ位置にいるのに、私の方が近くに立っているように見えてしまうだろう。遠近法のスキルを学ぶのにうってつけである。
そしてこの時点で既に受講が確定したのであった。
ぱちんこやソーシャルゲームのガチャでいうところの確定演出である。安心と歓喜。
そしてその美貌から放たれる優雅な声を聞きながら必死にノートをとる私であった。いやでも勉強に気合が入る。
男性諸君は学校を決める際は、美人教師で選ぶべし。授業にかける意気込みが変わります。
体験会での内容はざっくりとこんな感じであった。
- ワインとは?
- 主要なブドウ品種
- テイスティング
是非3番に注目して頂きたいのだが、『テイスティング』である。無料でワインを勉強させて頂きながら、ワインまで飲めてしまうのである。しかも美人の先生と一緒に。我ここに天国を見つけたり。
あまり酔いたくないわ!という方もご安心ください。紙コップがあり、口の中で味わった後に、その紙コップの中に吐き出してしまえばいいようだ。人によっては抵抗がある方もいるらしい。私は全部飲むけども。
以下、ざっくりと学んだ内容を列挙させていただく。
ワインとは?
ブドウを発酵させて作ったお酒の事である。
お酒になる為には条件があり。
( 糖+水分 )+ 酵母 → アルコール
という事で『糖と水分』が『酵母』の働きによってお酒になるという事であった。
お酒というのはこういう流れで出来ていたんだなと驚いた。
ブドウは自前で『糖分』と『水分』を持ち、しかも皮に『酵母』が付着しているので、ブドウ単体でお酒になる条件をすべて持っているという事だ。
主要な品種
・シャインマスカットなどこちらは食用ブドウの品種である。
ワインはどんなブドウ品種から作られるかで、どんなワインになるかが決まってくるようだ。
特に初心者が覚えるべき4品種を勉強した。
赤ワイン用のブドウ
①カベルネ・ソーヴィニョン
『ヴィ』の部分が日本語にはなくてかっこいい。この品種から作られるワインは渋みが豊富な味わいになる傾向が強いようだ。肉を食べたくなる味。
②ピノ・ノワール
ピノと聞くとまっさきにアイスが思い浮かぶ私。多分世界一有名なワインである『ロマネコンティ』はこのブドウから作られるようだ。①に比べて渋みが少なく飲みやすい。優雅な気分になれる気がする。多分『ロマネコンティ』のせい。
白ワイン用のブドウ
①シャルドネ
名前は聞いたことがある人は多いのではないだろうか。こちらの品種はどう育てられたかで大きく変わる品種で、作者の『俺色に染めた結果』が味に顕著にでるそうだ。すっぱさが比較的マイルドに感じるものが多いらしい。
②ソーヴィニヨン・ブラン
また『ヴィ』が出てきた。こちらはシャルドネと比べると強い酸味を感じるものが多いらしい。すっぱいのが私は好きなので、私好みでとてもおいしい。グビグビ。
テイスティング
ワインのテイスティングといのは、グラスをブンブン回してかっこつけて飲むものと思っていた私にとって驚きの連続であった。
・テイスティングの順序
- 色(目)
- 香り(鼻)
- 味(口)
ということで、ワインというものは感覚器官を駆使して楽しむ飲み物である。
グラスをブンブン回していたのは『スワリング』という。
あれはただかっこつけていたのではなく、ワインを空気に触れさせて、眠っている味や香りを引き出すのが目的なんだそうだ。
一応右利きの方の場合は、反時計まわりに回すのが礼儀らしい。というのも勢いよくスワッちゃった時に、他の方にワインをかけないようにする配慮だそうだ。反時計まわりであれば、ほとんどの場合自分にかかる。日本の割りばしを縦に割るのに似たマナーだなと感じた。やはりマナーの基本は各国共通なんだと改めて思った瞬間である。
そして色や香りにコメントをつけていくのだけれど、これが非常に難しい。
基本的には個人が感じたものを、みんなに伝わるように、果物などに例えていく。レモンのようなさわやかな香りとか、白桃のような甘い香りなどである。ここまではいい。
しかし、パッションフルーツのようなニュアンスとか、ブラックベリーを感じますねというコメントに対して、今までそんなオシャレなものを食べてこなかった私は、ワインを通じて未知の食材に想いを馳せるような状況になっていた。わからないからわからないが生まれてくるのである。そうハチャメチャが押し寄せてくるのだ。泣いてる場合じゃない。
ただ、これは経験を積むとなんとかなるらしい。ほっ。今はまだ時ではないという事か。
あとテイスティングの目的は、色や香りから、どういう環境で育ったか?というのを類推するのにも使うようだ。なぜそんな事をするのかというと、
暖かい地域で育ったブドウは糖度が高くなる為、アルコール度数が高くなる傾向があったり、果実感が強くでてきたりするそうだ。
逆に寒い地域の場合、ブドウの糖度がそこまで高くならないので、アルコール分が低めだったり、酸味が強くでてきたりするらしい。
つまり、味わいをある程度想像できたり、生まれ育った環境に想いを巡らして楽しむことも出来るそうだ。
連休明けにこんがり日焼けした女性を見て、『南国でのバカンスはさぞ楽しかったんだろうな』と類推し私も想像の中ではバカンスを楽しんでいるような感じだろう。(多分違う
そんな初めての経験に悪戦苦闘しながら、ワインを実際に飲み比べをすることで初めて『ワインというのは品種で味が変わる』という事を経験として学べたことが今回一番の収穫だ。
あとどうしても最初はどんなワインを買えばいいかわからないし、飲み比べをしようと思うとお金もかかる。その点ワインスクールであれば、講師の方がわかりやすい品種個性のワインを選んでくれるし、種類も飲めるのでコスパが良い。
という事でワイン道の第一歩を踏みだした私。無料体験は大満足でした。
やはり美人と一緒に優雅にワインを飲めるなんて、どう考えたって断る理由はない。
これから始まる約半年間の授業も、純度100%の下心で頑張っていこう。