近年クオリティと人気の上昇がはなはだしい日本ワイン。
中には人気がありすぎて抽選を突破しないと買えないものや、
仮にネットで見つけてもプレミア価格で手が出ないなんてワインが沢山あります。
そんな、入手困難な日本ワインをグラスでガバガバ飲めたら幸せですよね?
そう、今回はそんなあなたの欲望を叶えてくれるお店の紹介です。
東京、新富町の『LUONTO(ルオント)』さんです。
月1回の日本ワインイベント
LUONTOさんでは、毎月第2月曜日に『日本ワインの日』というイベントを行っています。
祝日が重なっていたり、連休が重なった場合は開催日がずれる場合がありますので、要確認&予約は必須です。
実際にガバガバ飲んできた
今回は1月のイベントの日に飲ませて頂いたラインナップを紹介します。
Muscat d’Alexandrie ~Kagurazuki~
こちらは岡山県の生産者『ラ・グランド・コリーヌ・ジャポン』の『ミュスカ・ダレクサンドリー カグラズキ 2020年』です。
岡山県船穂町で有機栽培で育てられたマスカットオブアレクサンドリアを使用。11月まで待って、干しブドウのような状態にしてから収穫。3日間かけてプレスされ、ジュースは直接小樽で熟成。清澄剤、フィルター不使用。亜硫酸(二酸化硫黄)完全無添加で造られたワインだそうです。口に含むとじわぁと染みわたってくるうまみ!!いい年にしか造られないワインらしく、少し寝かせて頂いたおかげでうま味が全開です!!
FUKUIHARA 88 PET NAT 2021
こちらは長野県の生産者『ドメーヌ長谷』の『FUKUIHARA 88 PET NAT 2021』です。
88というのは、ドメーヌ長谷さんの自社畑88区画という意味だそうです。こちらの区画は収穫までは虫や動物による害が多く栽培の難しい環境ですが、標高が840mと高く、水はけや風通しも良いため、酸が高く凝縮したぶどうが収穫できます。この88区画のシャルドネと、吉澤氏の福井原産契約栽培のシャルドネ(標高750m付近)をプレス後、大樽で発酵させたワインです。その際にごく少量のピノ・ノワールも加えられています。酸が心地ええんじゃ!!シャルドネの果実味にしっかりのった酸!!こちらもうま味が口内にしみわたる。
Kurisawa Blanc
こちらは『中澤ヴィンヤード』の『Kurisawa Blanc 2021』です。
つ、遂に飲めてしまった!!
日本ワインの中でもカルト的な人気を誇っているといっても過言ではない『Kurisawa blanc』
メインは『ゲベルツトラミネール・シルヴァネール・ピノグリ・ケルナー』の4品種だそうですが、畑で採れるすべての品種を使って造られています。あと『フィールドブレンド』という手法が使われています。一枚続きの畑で収穫した4~5種のブドウをひとつのタンクや樽に入れて発酵させるという手法です。中澤ヴィンヤードさんは日本でのフィールドブレンドのパイオニア的な存在。このクリサワブランの誕生の背景には、収穫量を補うという名目で、ブレンドという手法を取ったところ、複雑性や多様なフレーバーが生まれたといいます。人気過ぎて買えない、飲めないというのが納得の、たった一口から広がる様々な味わい。ずっと飲んでいられます!!
城戸 Autumn Colors 2014
こちらは『Kidoワイナリー』の『城戸 Autumn Colors ナイヤガラ』です。
ナイヤガラ種はかつて桔梗ヶ原で一番多く栽培されていましたが、ブドウの病気として近年流行している「晩腐病(ばんぷびょう)」に非常に罹りやすいため、栽培面積が急速に減少しており、貴重な品種になりつつあります。このワインはナイヤガラ種を低温でゆっくりと丁寧に発酵させ、甘口に仕上げました。ブドウそのものを想わす非常にフルーティーな香りが特徴で、どこか懐かしい親しみやすい味わいです。
Kidoワイナリー公式HPから引用 http://www6.plala.or.jp/kidowinery/syouhinn1.html
甘口ですが、酸味とのバランスも良く、ナチュラルな甘さが持ち味です。
香りは甘いフォクシーフレーバー。なのに飲んでみるといやいやどうして、いい意味で裏切られます。酸がしっかりあって香りの印象ほど甘くない。マスターも『野球でいうと、スプリット』と言ってました。はい、ばっちり三振!!やられました!!
こことあるシリーズ ぴのろぜ 2019
こちらは『ココファームワイナリー』の『こことあるシリーズ ぴのろぜ 2019』です。
ココファームと北海道岩見沢市の10R(とある)ワイナリーとのコラボ作品で醸造を主に10Rワイナリーが担当しています。北海道余市のぶどう農家さんと言えばおなじみの『木村農園さん』の遅摘みのピノ・ノワールから造られています。1回限りで造ってみたところ、かなり好評だったようで今日に至るようです。
醗酵 葡萄を選別した後、マセラシオン・カルボニック(炭酸ガス浸漬)を⾏った。
2019 こことあるシリーズ ぴのろぜ ワイン・データシートから抜粋 https://cocowine.com/ds/p3553/
その後、じっくりと搾り、ステンレスタンク、古樽にタンク移動し、野⽣酵⺟によりゆっくり醗酵させた。野⽣乳酸菌による MLF(マロラクティック醗酵)を⾏った。
ビン詰 ビン詰直前に澱引き、ブレンド。極少量の亜硫酸塩添加後、無清澄・無濾過にてビン詰。
本数:4,155 本(750ml)
アルコール:12.0% 酸度:7.3 g/L. 残糖:9.4g/L.
香りはイチゴのような甘酸っぱさ、口に含むと柔らかい酸と甘みを感じました。熟したイチゴの様なイメージ。とってもフルーティで飲みやすくこの甘酸っぱさの虜になりました。
Tomo Rouge 2017
こちらは『ドメーヌ・アツシスズキ』の『Tomo Rouge 2017』です。
マスターに『今日は何飲みたい?』と聞かれたので、冗談半分でこのワインを挙げました。
するとなんということでしょう!!本当に出て来てしまいました!!飲んでみたいワインリストがまた一つ埋まった瞬間です。
ドメーヌタカヒコの曽我貴彦さんの元で研修を受けたのち、2015年にワイン用葡萄を栽培していた農家さんより5.6haの畑を引き継ぎ醸造所をオープンしたそうです。赤ワインならピュアで優しい味わいを目指しているそうで、今回その哲学を舌で経験できたのは大きな収穫でした。どことなく、ドメーヌタカヒコさんのワインに通ずるものがある?言葉でうまく表現できないのがもどかしいのですが、Tomo Rougeを飲んだ時にふと頭の中に、ドメーヌタカヒコさんのワインが浮かびました。不思議。
城戸 Private Reserve Brilliance
こちらは『kidoワイナリー』の『城戸Private Reserve Brilliance 2019』です。
カベルネソーヴィニヨン53%、メルロー28%、プティヴェルド19%でアサンブラージュ
Kidoワイナリー通信Vol.54より引用
ブラックベリー、ストロベリー、ローズマリー、シガー、エスプレッソなどの華やか且つ奥行きのある複雑な香り
滑らかなタンニン、甘味、酸味が一体となって調和しているエレガントな味わいの辛口赤ワイン
飲み頃予想:2121年10月~2025年
とっても香りがエレガントッ!!タンニンは滑らかで果実味しっかり、樽由来の香ばしさとコク、仕上がりが各要素とってもうまくまとまっていて、堪らないッ!!いい樽を使うにしても、それに負けない質の良いブドウがそもそも必要だということをマスターから教えて頂いたのですが、まさにこのワインが体現しています。
Coltrada Rouge 2021
こちらは『Coltrada』の『Coltrada Rouge 2021』です。
イタリアを旅したことがきっかけで始まったワイン造り。ワインブドウの栽培や醸造の研修を受けながら、2013年にワインブドウ園を開墾。
ColtradaさんHPより引用 https://www.nobori-sake.com/shouhin/wine/japan/coltrada/item.html
委託醸造にて、2015年からワインをリリースしています。
2017年産ブドウからは、ブドウ以外のものを一切加えない、ブドウのみのワイン造りをしています。
岡山県新見市哲多町産の樹齢8、9年のメルロを主体として造られたワインです。メルロ主体と聞いていたので飲んでみるとびっくり。このキレッキレの酸は一体どこから?マスター曰く、『熟成でここから更に化けるワイン』だそうで、明日を生きる理由がまた一つ増えました。
CHARIOT D’OR
最後は『丸藤葡萄酒工業』の『シャリオドール1987』です。
まさかの『同い年』
甲州のこんなに熟成された甘口ワインを飲む機会など次はいつあるだろうか?
甘口ワインですが、甲州らしい上品な甘さ。かつこのスッキリとした感じはやはり甲州だと思わせてくれる。大和撫子は年を経ても大和撫子でした。
ちなみに、シャリオドール(Chariot d’or)とはフランス語で『黄金の馬車』という意味だそうです。
感想
神でした。
我此処に日本ワインの桃源郷を見つけたり
LUONTOさんのワインの特徴はその『保存状態』
年平均で1℃の温度変化も許さない驚異的なポテンシャルのセラーで熟成させているそうで、
生きたワインを飲んでいるという感覚がありました。
もう他のお店ではワインが飲めない体になってしまったかもしれません。
お店の情報
LUONTOさんの情報です。
店名 | LUONTO(ルオント) |
住所 | 東京都中央区築地2-1-14 トミービル 3F |
アクセス | 地下鉄有楽町線 新富町駅 徒歩2分 地下鉄日比谷線 築地駅 徒歩4分 地下鉄都営浅草線 東銀座駅 徒歩7分 |
電話 | 03-6260-6106 |
営業時間 | 18:00~23:00(料理は21:30まで) 季節によって変わる場合がありますのでご注意下さい。 |
定休日 | 水曜日、土曜日、日曜日、祝日 |
支払い方法 | カードOK (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) |
サービス料 | 4% |
席数 | カウンター 4席 テーブル 16席 |
公式HP https://www.luonto.tokyo/
予約は電話から出来ます。03-6260-6106
最後に
ワイン通の間で大人気のお店だそうです!!
納得のクオリティ。
なので予約なしだと席が空いてません。
電話で予約対応を行なっているそうなので、気になった方はぜひ生きたワインを体感してみてください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!!
青柳 伊織 Iori Aoyagi
『マダムM』との出会いから、モテたい一心でワインを勉強し始めるも、本格的に沼に落ちる。今ワインに言える事は『大好きです。今度は嘘じゃないっす。』ワイン友達を増やして、その仲間と『ロマネ・コンティ』をワイワイ開けるのが夢。ワイン初心者の私がぶつかった疑問や、経験の記事を書いています。
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