こちらの記事を読む前に、赤ワインの造り方~初心者ver~を見て頂くと、より分かりやすくなるので是非ご一読頂きたい。
今回は『白ワイン』の造り方について書いていこうと思う。
赤ワインと白ワインの造り方を理解すると、ロゼワインの造り方についてもすんなり入るようになる。
今回もなるべく難しい用語は並び立てずに、私の様な初心者の方向けの内容で書いていく。
白ワインの造り方
実は赤ワインの造り方を知っていれば、白ワインの造り方も90%は既に知っているも同然なのである。
なので安心して先に進んで頂きたい。
1.赤ワインと白ワインの決定的な違い
最初に結論から申し上げると、赤と白の決定的な差は
赤ワインは黒ブドウ、白ワインは白ブドウを使う!
というつもりはない。
使うブドウ以外にも決定的な差が両者には存在している。
それは製造工程において、
『発酵』と『圧搾』の順番が逆であること
これだけおさえておけばOK。
実は基本的な流れは赤も白もほぼ一緒で、上記の部分が大きく異なる。
赤ワイン造りの工程順序
『発酵』させてから『圧搾』する
白ワイン造りの工程順序
『圧搾』してから『発酵』させる
これによって何が変わるのかというと、
赤ワインの場合、果肉、果皮、種子も全部発酵させてから搾るので、色素と渋み成分が入ったワインが出来上がる。
なので、赤い色が付き、渋い味わいがある。
白ワインの場合、まず搾ってブドウ果汁を造り、その果汁のみを発酵させるので、色素や渋み成分などがあまり入っていないワインが出来上がる。
なので、色は白く、渋みはあまりない。
2.赤と白の製造工程の比較
前回の赤ワインの製造工程の順番と比較してみると、このようになる。
工程 | 赤ワイン | 白ワイン |
1. | 収穫・選果 | 収穫・選果 |
2. | 除梗・破砕 | 除梗・破砕 |
3. | 主発酵 | 圧搾 |
4. | 圧搾 | 主発酵 |
5. | 後発酵(MLF) | 後発酵(MLF) |
6. | 育成 | 育成 |
7. | 澱引・清澄・ろ過 | 澱引・清澄・ろ過 |
8. | 瓶詰め | 瓶詰め |
本当に『発酵』と『圧搾』の順番だけが違うというのがお分かり頂けるだろう。
3.その他の違い
更に両者を比べてみると『発酵の温度』が違ったりする。
赤の発酵温度→26~30℃
白の発酵温度→15~20℃
と白の方が低い温度で発酵させていく。
そうする事により、発酵の速度がゆるやかになり、その過程で繊細な味や香りを形成できるそうだ。
赤の場合は、発酵中に果皮などから成分を抽出する必要がある為、高い温度での発酵が必要になる。
あと実は白ワインでしか行わない工程がある。
それは『前清澄』(デブルバージュ)という工程で、『発酵』の前に行われる。
こちらは発酵させる前に、圧搾して出来たブドウの果汁を半日ほどおいて、果汁内の不純物を分離する工程となっている。
4.『甘口』と『辛口』
よく白ワインの説明で『甘口』や『辛口』という表記を見かけはしないだろうか?
読んで字のごとく味わいについての説明なのだが、実は『発酵』のさせ方で『甘口』と『辛口』は造り分けられている。
『甘口』の場合
発酵を途中で止めて、ブドウの糖分を『残す』
『辛口』の場合
しっかりと発酵させて、ブドウの糖分を『残さない』
糖分は発酵によりアルコールへと変わっていく。
なので発酵を止め、糖分を残すと『甘口』になりアルコール度数は控えめに。
しっかり発酵させ糖分を残さないと『辛口』になりこちらは度数が高めとなる。
なのでスーパーのワインコーナーで『甘口』『辛口』の表記を見た時は、この記事を思い出して頂きたい。
5.まとめ
赤と白の造り方の違いをまとめると
- 使うブドウの種類が違う
- 『発酵』と『圧搾』の順番が違う
- 発酵させる温度が違う
とこうなる。
赤ワインの造り方が基本になっているというのが、私は白ワインの造り方を先生に教えて頂いた際に『本当だ!!』と感動したのだが皆さんはいかがだっただろうか?
あと私がなるほど!と思ったのは、
発酵させる温度の違いで、赤ワインは果皮からの渋み成分を獲得し、白では低温発酵により繊細な香りを獲得するという部分だったり、
発酵過程で糖分をどれくらい残すかで、甘口、辛口が決まるというのが勉強していて楽しかった。
そして赤ワインと白ワインの造り方という二つの武器を得た私たちは、ロゼワインの造り方についてもほぼ理解していると言っていい。
次回はロゼワインの造り方についての記事を書こうと思うので、そちらも読んで頂けたら光栄だ。
今回の内容はいかがだっただろうか?
私の様なワインに触れたばかりの方だったり、なんとなく興味があるという方に対してお役にたてれば幸いだ。
今回も読んでくれてありがとう。
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