みなさんこんにちは。
スペインやポルトガルの範囲を勉強したので
『3大酒精強化ワイン』
というのが出揃いました。
なのでここらでまとめておこうと思います。
それぞれ何が違うのか?どんな特徴があるのか?がわかると覚えやすいと思います。
今回はその中の『シェリー』についてまとめます。
酒精強化ワインとは?
まず酒精強化ワインについての説明をさせて頂くと、
酒精強化ワインとは?
醸造工程中にアルコールを添加して、ワイン全体のアルコール分を高め、
味にコクを持たせ保存性を高めたワインのこと。
ウィキペディア 酒精強化ワインより引用
別名『フォーティファイドワイン(fortified wine)』とも言われます。
普通のワインよりアルコールが高くなっている為、『保存性がUP』しています。
3大酒精強化ワイン
酒精強化ワインの中でも特に有名なのがこの3つ
- Jerez-Xerez-Sherry スペイン
- Port ポルトガル
- Madeira ポルトガル
スペインに1つ、ポルトガルに2つあります。
覚えるポイント
- どこで作っているか?
- どんな品種が使われているか?
- どんなタイプがあるか?
まずはそれぞれの特徴や推しポイントを覚えましょう。
ざっくりした特徴
いきなりそんなこと言われても難しい…
という私のような方もいるかもしれませんので、ざっくりとした特徴を述べると
- シェリー→『フロール』
- ポート→『熟成年数』
- マデイラ→『使用品種』
このあたりがそれぞれ注目して頂きたいポイントになります。
今回はスペインの『シェリー』の特徴をしっかり見ていきます。
シェリー Jerez-Xerez-Sherry
まずはシェリーの定義からいきます。
シェリーの定義
シェリーとは、スペイン南部のアンダルシア地方『ヘレス・デ・ラ・フロンテラ』周辺で作られる酒精強化ワインのことをいいます。
・Jerez de la Frontera
・El Puerto de Santa Maria
・Sanlucar de Barrameda
今まではこの3つの町で作られたものだけがシェリーを名乗れたのですが、
2021年に変更が発表されて、上記以外にも7つの地域が増えました。
うち1つはヘレスから独立した地域になります→San Jose del Valle
ちなみに正式名称は
Jerez-Xeres-Sherry y Manzanilla-Sanlucar de Barrameda
→ヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルーカル・デ・パラメーダ
長いッ!!
Jerez→スペイン語 Xeres→フランス語 Sherry→英語の順番を聞かれた過去問があるそうなのでチェックです。
あとシェリーで特徴的システムが『クリアデアとソレラ』です。
クリアデラとソレラのシステム
シェリーは一番下のソレラという樽から出荷されます。
そして出荷で減った分は、一つ上の第1クリアデラという樽から補充され、
第1クリアデラの減った分は更に上の、第2クリアデラという樽から補充されます。
造り手によって積み上げられている樽の段数が変わるそうです。
なので、ソブレタブラと呼ばれる熟成システムを経て出来た新しいシェリーは、一番上の樽に補充されます。
この減った分を上の樽から補充していくシステムを『クリアデラとソレラのシステム』といい、品質の安定化が図られています。
使用品種
シェリーで使われる品種は3種類
①Palomino…ほぼこの品種です。驚異の95%!!辛口タイプ。
ほぼこの品種で辛口タイプのシェリーが造られています。
②Pedro-Ximenez…極甘口タイプで使われる。残糖212g/L以上。
③Moscatel…極甘口タイプ。残糖160g/L以上。
こちらの2品種は極甘口タイプのシェリーで使われています。
特徴的な土壌や気候条件
土壌
シェリーの特徴的な土壌として、Albarizaという真っ白な石灰質土壌が挙げられます。
風
シェリーの熟成に影響を与えている2種類の風があります。
①Poniente…大西洋から吹く、低温高湿の風。
②Levente…内陸から吹く、高温低湿の風。
どっちかだけ完璧に覚えて、片方の名前はなんとなく、性質は真逆と覚えておくといいと思います。
個人的には、『ウミエンテ』と勝手に名付けて、海だから温度低くて湿度高い風と覚えてます。
シェリーのポイント
シェリーでおさえておきたいポイントは『フロール』です。
樽で熟成する際に、あえて上部に隙間を作ると、ワインの表面に白い膜が出来ます。
この膜を『フロール』と呼び、ワインの酸化を防ぎ、独特の風味をもたらします。
日本語にすると『産膜酵母』です。
この『フロール』をつけるか?つけないか?でシェリーのタイプが分かれます。
シェリーのタイプ
辛口タイプ
辛口で覚えておくのは5種類です。
①Fino…フロール熟成タイプ。淡い麦わら色ドライでシャープな辛口。アルコール度数15~17度。
②Manzanilla…サンルーカル・デ・バラメーダで熟成されたフィノ。海に近いので塩気を感じるそうです。
③Amontillado…熟成中にフロールが消えちゃったパターンのシェリー。スパイス香やナッツの風味が特徴。アルコール度数16~22度。
④Palo Cortado…熟成中にフロールが消えたので、オロロソへ路線変更したタイプ。アモンティリャードとオロロソの特徴を備えるハイブリット型。アルコール度数17~22度。
⑤Oloroso…フロールを付けないで熟成させるタイプ。フロールはアルコール度数が17度以上では発生しないので、まず17度まで酒精強化する。そこから酸化熟成させる為コクのあるタイプになる。アルコール度数17~22度。
これらのタイプがどのように分けられていくかをチャートにしました。
シェリーのタイプ別診断
①普通に白ワインを作る
『味わいはどちらに当てはまりますか?』
A.デリケートさん
フロール付けます
↓
アルコール15度まで酒精強化
③フロール熟成へ進む
B.ボディしっかりさん
フロール付けません
↓
Oloroso
フロールはアルコール17度以上では
発生しないので、17度まで酒精強化
アルコール度数
17~22度
②フロール熟成
『熟成の経過はいかがですか?』
A.フロールの下
↓
Finoもしくは
Manzanilla
アルコール度数
15~17度
B.フロール消滅…
↓
③トラブル対応へすすむ
③トラブル対応
『フロール消滅!!どうしますか?』
A.フロールないけど続行
↓
Amontillado
アルコール度数
16~22度
B.オロロソに路線変更
↓
もう一回酒精強化
↓
Palo Cortado
アルコール度数
17~22度
FinoとManzanillaは、フロールの下熟成させたのでアルコール度数は15~17度。
※17度以上になるとフロールが発生しなくなる為
途中でフロールが消えたAmontilladoは、酸化熟成になるので16~22度。
Palo CortadoとOlorosoは、フロールを発生させないようにする為、一旦17度まで酒精強化してから酸化熟成させるので、17~22度になります。
フロールの境目である17度と酸化熟成タイプはMAX22度を覚えておくと暗記しやすいと思います。
甘口
こちらは品種名がそのままワイン名です。甘口で使える2品種になります。
①Moscatel
②Pedro Ximenez
オマケ①
半甘口というジャンルもあります。
①Medium…Amontillado+Pedro Ximenez
②Cream…Oloroso+Pedro Ximenez
オマケ②
熟成期間認定シェリー
長期熟成したシェリーは、年数によって特別な表記ができます。
VOS→20年以上
VORS→30年以上
終わりに
最初は色んなタイプのシェリーがあって、てんぱってしまいましたが、
どんな流れを経てそのタイプになるのか?がわかると意外とすんなり覚えられました。
ただ文字だけを暗記するより、なぜそうなるのか?も合わせて理解するのが大切だなと感じました。
月も変わり試験開始の7月まではもう2か月ほど。
とにかく毎日コツコツを試験当日まで積み上げていきます!!
今回もお読みいただきありがとうございました。
今年受験する方は一緒に頑張りましょう!!
既に合格されている方はアドバイスを頂けるとありがたいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
青柳 伊織 Iori Aoyagi
『マダムM』との出会いから、モテたい一心でワインを勉強し始めるも、本格的に沼に落ちる。今ワインに言える事は『大好きです。今度は嘘じゃないっす。』ワイン友達を増やして、その仲間と『ロマネ・コンティ』をワイワイ開けるのが夢。ワイン初心者の私がぶつかった疑問や、経験の記事を書いています。
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