【目指せ一発合格】2023年度ワインエキスパート受験体験記Vol.10~シェリーについて~

ワイン
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みなさんこんにちは。

スペインやポルトガルの範囲を勉強したので

『3大酒精強化ワイン』

というのが出揃いました。

なのでここらでまとめておこうと思います。

それぞれ何が違うのか?どんな特徴があるのか?がわかると覚えやすいと思います。

今回はその中の『シェリー』についてまとめます。

酒精強化ワインとは?

まず酒精強化ワインについての説明をさせて頂くと、

酒精強化ワインとは?

醸造工程中にアルコールを添加して、ワイン全体のアルコール分を高め、
味にコクを持たせ保存性を高めたワインのこと。

ウィキペディア 酒精強化ワインより引用

別名『フォーティファイドワイン(fortified wine)』とも言われます。

普通のワインよりアルコールが高くなっている為、『保存性がUP』しています。

3大酒精強化ワイン

酒精強化ワインの中でも特に有名なのがこの3つ

  • Jerez-Xerez-Sherryヘレス・ケレス・シェリー スペイン
  • Portポート ポルトガル
  • Madeiraマデイラ ポルトガル

スペインに1つ、ポルトガルに2つあります。

覚えるポイント

  • どこで作っているか?
  • どんな品種が使われているか?
  • どんなタイプがあるか?

まずはそれぞれの特徴や推しポイントを覚えましょう。

ざっくりした特徴

いきなりそんなこと言われても難しい…

という私のような方もいるかもしれませんので、ざっくりとした特徴を述べると

  • シェリー→『フロール
  • ポート→『熟成年数
  • マデイラ→『使用品種

このあたりがそれぞれ注目して頂きたいポイントになります。

今回はスペインの『シェリー』の特徴をしっかり見ていきます。

シェリー Jerez-Xerez-Sherry

まずはシェリーの定義からいきます。

シェリーの定義

シェリーとは、スペイン南部のアンダルシア地方『ヘレス・デ・ラ・フロンテラ』周辺で作られる酒精強化ワインのことをいいます。

Jerez de la Fronteraヘレス・デ・ラ・フロンテラ
El Puerto de Santa Mariaエル・プエルト・デ・サンタ・マリア
Sanlucar de Barramedaサンルーカル・デ・バラメーダ

今まではこの3つの町で作られたものだけがシェリーを名乗れたのですが、

2021年に変更が発表されて、上記以外にも7つの地域が増えました。

うち1つはヘレスから独立した地域になります→Sanサン Joseホセ delデル Valleバーリエ

ちなみに正式名称は

Jerez-Xeres-Sherry y Manzanilla-Sanlucar de Barrameda

→ヘレス・ケレス・シェリー・イ・マンサニーリャ・サンルーカル・デ・パラメーダ

長いッ!!

Jerezヘレス→スペイン語 Xeresケレス→フランス語 Sherryシェリー→英語の順番を聞かれた過去問があるそうなのでチェックです。

あとシェリーで特徴的システムが『クリアデアとソレラ』です。

クリアデラとソレラのシステム

シェリーは一番下のソレラという樽から出荷されます。

そして出荷で減った分は、一つ上の第1クリアデラという樽から補充され、

第1クリアデラの減った分は更に上の、第2クリアデラという樽から補充されます。

造り手によって積み上げられている樽の段数が変わるそうです。

なので、ソブレタブラと呼ばれる熟成システムを経て出来た新しいシェリーは、一番上の樽に補充されます。

この減った分を上の樽から補充していくシステムを『クリアデラとソレラのシステム』といい、品質の安定化が図られています。

使用品種

シェリーで使われる品種は3種類

Palominoパロミノ…ほぼこの品種です。驚異の95%!!辛口タイプ。

ほぼこの品種で辛口タイプのシェリーが造られています。

Pedro-Ximenezペドロ・ヒメネス…極甘口タイプで使われる。残糖212g/L以上。

Moscatelモスカテル…極甘口タイプ。残糖160g/L以上。

こちらの2品種は極甘口タイプのシェリーで使われています。

特徴的な土壌や気候条件

土壌

シェリーの特徴的な土壌として、Albarizaアルバリサという真っ白な石灰質土壌が挙げられます。

シェリーの熟成に影響を与えている2種類の風があります。

Ponienteポニエンテ…大西洋から吹く、低温高湿の風。

Leventeレバンテ…内陸から吹く、高温低湿の風。

どっちかだけ完璧に覚えて、片方の名前はなんとなく、性質は真逆と覚えておくといいと思います。

個人的には、『ウミエンテ』と勝手に名付けて、海だから温度低くて湿度高い風と覚えてます。

シェリーのポイント

シェリーでおさえておきたいポイントは『フロール』です。

樽で熟成する際に、あえて上部に隙間を作ると、ワインの表面に白い膜が出来ます。

この膜を『フロール』と呼び、ワインの酸化を防ぎ独特の風味をもたらします。

日本語にすると『産膜酵母』です。

この『フロール』をつけるか?つけないか?でシェリーのタイプが分かれます

シェリーのタイプ

辛口タイプ

辛口で覚えておくのは5種類です。

Finoフィノ…フロール熟成タイプ。淡い麦わら色ドライでシャープな辛口。アルコール度数15~17度

Manzanillaマンサニーリャサンルーカル・デ・バラメーダで熟成されたフィノ。海に近いので塩気を感じるそうです。

Amontilladoアモンティリャード…熟成中にフロールが消えちゃったパターンのシェリー。スパイス香やナッツの風味が特徴。アルコール度数16~22度

Palo Cortadoパロ・コルタド…熟成中にフロールが消えたので、オロロソへ路線変更したタイプ。アモンティリャードとオロロソの特徴を備えるハイブリット型。アルコール度数17~22度

Olorosoオロロソ…フロールを付けないで熟成させるタイプ。フロールはアルコール度数が17度以上では発生しないので、まず17度まで酒精強化する。そこから酸化熟成させる為コクのあるタイプになる。アルコール度数17~22度

これらのタイプがどのように分けられていくかをチャートにしました。

シェリーのタイプ別診断

①普通に白ワインを作る

『味わいはどちらに当てはまりますか?』

A.デリケートさん

フロール付けます

アルコール15度まで酒精強化
③フロール熟成へ進む

B.ボディしっかりさん

フロール付けません

Olorosoオロロソ
フロールはアルコール17度以上では
発生しないので、17度まで酒精強化
アルコール度数
17~22度

②フロール熟成
『熟成の経過はいかがですか?』

A.フロール

Finoフィノもしくは
Manzanillaマンサニーリャ
アルコール度数
15~17度

B.フロール消滅…

③トラブル対応へすすむ

③トラブル対応

フロール消滅!!どうしますか?』

A.フロールないけど続行

Amontilladoアモンティリャード
アルコール度数
16~22度

B.オロロソに路線変更

もう一回酒精強化

Palo Cortadoパロ・コルタド
アルコール度数
17~22度

FinoフィノManzanillaマンサニーリャは、フロールの下熟成させたのでアルコール度数は15~17度
※17度以上になるとフロールが発生しなくなる為

途中でフロールが消えたAmontilladoアモンティリャードは、酸化熟成になるので16~22度

Palo Cortadoパロ・コルタドOlorosoオロロソは、フロールを発生させないようにする為、一旦17度まで酒精強化してから酸化熟成させるので、17~22度になります。

フロールの境目である17度と酸化熟成タイプはMAX22度を覚えておくと暗記しやすいと思います。

甘口

こちらは品種名がそのままワイン名です。甘口で使える2品種になります。

Moscatelモスカテル
Pedro Ximenezペドロヒメネス

オマケ①

半甘口というジャンルもあります。

①Medium…Amontilladoアモンティリャード+Pedro Ximenezペドロヒメネス

②Cream…Olorosoオロロソ+Pedro Ximenezペドロヒメネス

オマケ②

熟成期間認定シェリー

長期熟成したシェリーは、年数によって特別な表記ができます。

VOS→20年以上

VORS→30年以上

終わりに

最初は色んなタイプのシェリーがあって、てんぱってしまいましたが、

どんな流れを経てそのタイプになるのか?がわかると意外とすんなり覚えられました。

ただ文字だけを暗記するより、なぜそうなるのか?も合わせて理解するのが大切だなと感じました。

月も変わり試験開始の7月まではもう2か月ほど。

とにかく毎日コツコツを試験当日まで積み上げていきます!!

今回もお読みいただきありがとうございました。

今年受験する方は一緒に頑張りましょう!!

既に合格されている方はアドバイスを頂けるとありがたいです。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

Iori Aoyagi

青柳 伊織 Iori Aoyagi
『マダムM』との出会いから、モテたい一心でワインを勉強し始めるも、本格的に沼に落ちる。今ワインに言える事は『大好きです。今度は嘘じゃないっす。』ワイン友達を増やして、その仲間と『ロマネ・コンティ』をワイワイ開けるのが夢。ワイン初心者の私がぶつかった疑問や、経験の記事を書いています。
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