前回は旧世界の①ジョージアと②ギリシャについての授業の復習を書きました。
【授業復習】ワインスクール第7回目の感想①ジョージアとギリシャ
今回は料理もワインも美味しくて、人も優しく陽気で私の大好きな国『イタリア』
そのイタリアへの熱いパッションに導かれるまま、ただひたすらに書いていきたいのですが、
授業で習った部分をしっかりまとめていこうと思います。
イタリアのワインについて
イタリアワインの特徴
- 温暖な気候で古代ギリシャ語で『エノトリアテルス』(ワインの大地)とも称される
- 多様性が抜群!!全州でワインが生産されておりそれぞれ個性がある
- 生産量が常に世界TOPクラス
温暖な気候でブドウが良く育ち、開放的で明るいワインと称される旧世界の生産国『イタリア』
全20州それぞれに個性があり、その土地その土地の美味しいワインが沢山あります。
今回はその中から授業で勉強した『4州』について復習していきます。
イタリアを代表する『4州』
イタリアをワインでざっくり分けると『北部』『中部』『南部』に分かれます。
その中でも二大銘醸地と呼ばれているのがこちら!!
★イタリア二大銘醸地
- ピエモンテ州(州都:トリノ)『北部』
- トスカーナ州(州都:フィレンツェ)『中部』
フランス二大銘醸地が『ブルゴーニュ』と『ボルドー』であるならば、
イタリアだと『ピエモンテ』と『トスカーナ』が2大銘醸地となります。
今回まとめていく『4州』は、
- ピエモンテ州(州都:トリノ)『北部』
- ロンバルディア州(州都:ミラノ)『北部』
- ヴェネト州(州都:ヴェネツィア)『北部』
- トスカーナ州(州都:フィレンツェ)『中部』
こちらについて一つずつまとめていきます!!
①ピエモンテ州
・州都…トリノ
ピエモンテ州の特徴
- ワインの王、王のワインと呼ばれる『バローロ(赤)』、ピエモンテの女王『バルバレスコ(赤)』の生産地
- 生産量の90%がD.O.C.G(最高グレード)
- ピエモンテとは『山の麓』という意味がある
- イタリア2大銘醸地の一角
ピエモンテ州のブドウ品種
白ブドウ
- コルテーゼ…『ガヴィ』という白ワインに使われる。
- モスカートビアンコ(マスカット)…『アスティ』という甘口スパークリングワインに使われる。
黒ブドウ
- ネッビオーロ…『バローロ』王のワインや『バルバレスコ』ピエモンテの女王と呼ばれるワインに使われる
バローロとバルバレスコとは?
ピエモンテ州を代表する二大ワインと言えば
- ワインの王『バローロ』
- ピエモンテの女王『バルバレスコ』
共に『ネッビオーロ』という黒ブドウを使って造られますが、何が違うのでしょうか?
バローロとバルバレスコの違い
- ブドウの栽培地域が違う
- 最低熟成期間が違う
- 飲み頃が違う
バローロとバルバレスコはそれぞれ村の名前になります。
それぞれの村の周辺地域で栽培されたネッビオーロを使い、基準をクリアするとそれぞれ名乗ることができます。
バローロは最低熟成期間が38カ月(内18カ月は樽熟成)、バルバレスコは26カ月(内9カ月は樽熟成)です。
バローロは豊富なタンニンの力強さがあるので、長期熟成型。
しっかり熟成させてタンニンがトロントロンに溶け込んだバローロはそれはもう凄いらしいです!!
それに対しバルバレスコはバローロに比べると早期熟成型。
渋みや酸味が柔らかく、繊細な味わいを楽しめるそうです。
抽出するタンニンの量の違いで、熟成期間や味わいに違いがでてきます。
②ロンバルディア州
・州都…ミラノ
ロンバルディア州の特徴
- イタリアを代表するスパークリングワイン『フランチャコルタ』の産地
ロンバルディア州のブドウ品種
白ブドウ
- シャルドネ
- ピノ・ブランコ(ピノ・ブラン)
黒ブドウ
- ピノ・ネッロ(ピノ・ノワール)
スパークリングワインの銘醸地というのもあり、主力の品種はシャンパーニュ地方に似ています。
『フランチャコルタ』とは?
こちらはロンバルディア州フランチャコルタ地域で造られるスパークリングワインです。
フランスの『シャンパーニュ』と同じ様に、
- 生産地域
- 製造方法
の基準をクリアする事で名乗る事が許されます。
フランチャコルタの売りは『シャンパーニュと同じ製法で造られながら、最低熟成期間がシャンパーニュより長い』です。
なのでとても手間暇がかかった逸品です。
フランチャコルタを名乗る為の条件
- 瓶内二次発酵で造る…シャンパーニュと同じように、手間暇のかかる『瓶内二次発酵』と呼ばれる方法で造る必要があります。
- 定められた地域のブドウ品種を使う…フランチャコルタ地域で栽培された、白ブドウ:シャルドネ、ピノ・ブランコ 黒ブドウ:ピノ・ネッロ を使って造る。
- 最低熟成期間を守る…シャンパーニュが最低15ヵ月なのに対して、18ヵ月の熟成期間が必要です。
ちなみにスペインで『瓶内二次発酵』で造られるスパークリングワインの『カヴァ』の最低熟成期間は、9カ月となってます。
それとフランチャコルタはイタリア3大スプマンテ(スパークリング)の一つに名を連ねています。
イタリア3大スプマンテ
- ロンバルディア州
『フランチャコルタ』 瓶内二次発酵 - ピエモンテ州
『アスティ』 シャルマ方式 - ヴェネト州
『プロセッコ』 シャルマ方式
※シャルマ方式…大きなタンクで二次発酵させる方法
瓶内二次発酵という製法もあって、3大スプマンテの中でも頭一つ抜けている印象です。
熟成期間の基準がとても厳しいので、『きめ細やかな泡や複雑な味わい』を楽しむことが出来ますよ!!
③ヴェネト州
州都…ヴェネチア
ヴェネト州の特徴
- イタリアの中でも生産量TOPに入る産地
- イタリアを代表する辛口白ワインの『ソアヴェ』
- スパークリングの『プロセッコ』
- 陰干したブドウを使って造られる赤ワイン『アマローネ』
ヴェネト州のブドウ品種
白ブドウ
- ガルガネガ…イタリアを代表する辛口白ワイン『ソアヴェ』
- グレーラ…『プロセッコ』というスパークリングや白ワインに使われる
ヴェネト州の希少ワイン『アマローネ』とは?
ヴェネト州で生産される熟成赤ワインに『アマローネ』があります。
ロミオとジュリエットで有名なヴェネト州のヴェローナ地区にある、ヴァルポリチェッラ・クラシコの畑で収穫されたブドウから造られます。
こちらは、ブドウを陰干しして水分を蒸発させてから造られたワインです。
手摘みで収穫した完熟ブドウの水分を、3~4ヵ月かけて乾燥させ40~45%減らします。
そこから更に、熟成期間や最低アルコール度数などの基準を突破したものが晴れて『アマローネ』を名乗る事ができます。
相当な手間がかかってますね(汗
なのでかつては王侯貴族などの身分の高い人しか口にできなかったと言われています。
うま味がギュッと凝縮されたブドウから出来上がったワインは、濃厚な甘さと苦みを感じるかなりリッチな逸品だそうです。
王様の気分を味わえるかも!?
④トスカーナ州
州都…フィレンツェ
トスカーナ州の特徴
- イタリア2大銘醸地の一角
- 生産量第2位!!
- 抑えておきたいD.O.C.G『キャンティ』『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』
- 枠組みに囚われない『スーパータスカン』
トスカーナ州のブドウ品種
黒ブドウ
- サンジョベーゼ…トスカーナ州といえばこのブドウ。
『キャンティ』や『スーパータスカン』などに使われるこの地方の超主力品種!!
造り手によってかなり変わってくる品種なので、生産者の哲学が表れやすい。
特徴的な酸味からイタリア料理に欠かせない『トマト』との相性が抜群♪ - サンジョベーゼ・グロッソ…『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』に使われるブドウ品種。サンジョベーゼの亜種になります。
トスカーナの有名ワイン
- 『キャンティ』『キャンティクラシコ』
- 『ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ』
- 『スーパータスカン』
キャンティはワインを勉強する前からなんとなく耳にしたことがありました。
が、その時はよく名前を聞くから凄いワインなんだろうな位の知識しかありませんでした。
この3つのワインについて、一体どんなワインなのかまとめていきます。
①キャンティ、キャンティ・クラシコとは?
- キャンティ地区で生産されるワイン
- サンジョベーゼという黒ブドウメインで造られる赤ワイン
では、キャンティとキャンティ・クラシコは何が違うの?という事になりますね。
『キャンティ』と『キャンティ・クラシコ』の違い
それは『地区』の違いです。
- キャンティ・クラシコ…元々のキャンティ地区
- キャンティ…上記の地区から拡大されていった地区
なぜ呼び名が分かれてしまったのかというと、
その昔、キャンティというワインがとても美味しいと話題になりました。
しかし、イタリアのワイン法の整備が遅かった為、その人気に便乗する形で
『うちもキャンティです』と名乗る生産者が増えてしまったんですね。
なので、元々のキャンティのエリアには『キャンティ・クラシコ』と呼び方を分ける形になりました。
あとそれぞれのワインを名乗る条件も違いがあります。
キャンティ・クラシコ | キャンティ | |
最低熟成期間 | 11ヵ月 | 4ヵ月 |
サンジョベーゼ比率 | 80%~ | 70%~ |
白ブドウのブレンド | なし | あり |
あとキャンティクラシコは、しっかり見た目でも区別出来るように
『黒いニワトリ』のマークがワインのどこかについていますので、それも目印にしてください。
しかしながら、キャンティ、キャンティ・クラシコどちらが優れているか?
という議論には恐らく意味はなく、自分好みの生産者を見つけるのが一番だと思います。
②ブルネッロ・ディ・モンタルチーノとは?
こちらはシエナ県のモンタルチーノ村で造られるワインです。
『サンジョベーゼ・グロッソ(ブルネッロ)』というサンジョベーゼの亜種である黒ブドウを100%使用され造られます。
その他にも名乗る為には条件があり
- 熟成期間…最低5年(24ヵ月は木樽熟成が必要)
- 栽培条件…標高250~600mで栽培
というかなり厳しい条件をクリアしないと名乗れない最高峰のワインです!!
優雅で繊細、かつ果実味も備えているトスカーナ州が誇る至高の逸品です。
③スーパータスカンとは?
今までのワインは、決められた地域で栽培されたイタリアのブドウ品種を使い、厳しい基準をクリアする事で
ワインがその地方名を名乗ることが出来ました。
それに対しスーパータスカンまたはスーパートスカーナは、イタリアのサンジョベーゼやボルドー品種を使って造られたワインの事です。
なので、通称であってトスカーナ州のどこかの地域の名前ではありません。
発祥はリボルノ県ボルゲリ地区。
海に近く、石がゴロゴロしているような、フランスのボルドーに似た土壌を持っています。
その為、ボルドーで造られている品種が良く育つので、
『イタリアのワイン法に縛られずに、おいしいワインを造りたい』
という事でスーパータスカンが誕生しました。
法律まで変えてしまった『サッシカイア』
スーパートスカーナの中でも特に有名なワインが『サッシカイア』です。
ボルゲリの地で大のボルドーファンであるマリオ・インチーザ・ロケッタ侯爵が『シャトー・ラフィット・ロートシルト』から『カベルネ・ソーヴィニョン』の苗木を分けてもらって、自分用にワインを造っていたようです。
そこから商業用にワインを造ろうとなり、ジャコモ・タキスという伝説の凄腕醸造家にワインを仕込んでもらいました。
イタリアのワイン法に囚われず、ただただ美味しいワインを造った結果
イタリアのワイン法においては下位のグレードのワインが、上位グレードのワインよりも高値で取引されるという異常事態が発生してしまいました。
その結果1994年単独ワイナリーとして初の『DOCボルゲリ・サッシカイア』が誕生する事になります。
信念を持った行動は、世の中を変えていくのですね。
おわりに
かなり長くなってしまいましたが、それでも伝えきれないくらいの魅力が『イタリア』ワインにはあります。
そしてなんといっても『イタリア料理』と『イタリアワイン』の相性は天下無双です!!
普段食卓に並ぶような料理も多く、そこにイタリアワインを添えればちょっと贅沢な食事を堪能できますよ。
今回も読んでくださり、ありがとうございました!!
青柳 伊織 Iori Aoyagi
『マダムM』との出会いから、モテたい一心でワインを勉強し始めるも、本格的に沼に落ちる。今ワインに言える事は『大好きです。今度は嘘じゃないっす。』ワイン友達を増やして、その仲間と『ロマネ・コンティ』をワイワイ開けるのが夢。ワイン初心者の私がぶつかった疑問や、経験の記事を書いています。
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