①ワインの歴史~後半戦~
前半戦では『ワインの発祥の地』と『ワインの最古の文献』について書かせて頂いた。
後半戦はワインが伝わっていったルートや『ローマ帝国』と『キリスト教』がワインに与えた影響を雑学を交えて書いていこうと思う。
ワインの広まったルート
前半戦で登場したワイン発祥の地『ジョージア』から、文明の発展に沿ってワインは伝わっていったとされている。下記の大まかな流れと画像のマップをご覧いただきたい。
ジョージア→ メソポタミア(イラク、シリア北東、トルコ南東の辺り) → エジプト → ギリシャ → イタリア → フランス
当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、覇権を握るような文明の台頭に沿ってワインが伝わっているのがわかる。
ここで注目していただきたいのは、エジプト・ギリシャ間である。
ジョージアからエジプトまでは主に陸路で伝わってきたのだが、ギリシャへ伝わるには海路が必要となる。
ここで活躍したのが『フェニキア人』という民族である。
彼らの優れた商才と航海術により、各地との活発な海上交易によりワインがヨーロッパに入ってきたそうだ。
ちなみに彼らの使っていた『フェニキア文字』はギリシャ文字の元、つまりアルファベットのルーツであるとされている。
POINT①
『ワインは発祥の地であるジョージアから文明の発展に沿って各地に伝わっていった。』
ローマ帝国とワイン
『ロォォォーマッ!!』こう聞いた時に、ネロやロムルス(Y)やカエサル、カリギュラなどが思い浮かんでしまった人は多分『FGO(フェイトグランドオーダー)』ユーザーであろう。
世界史の分野でいきなり知っている名前が出て来てムフフとなってしまうのは私だけでは無いはずだ。
その中でもワインを広めるのに一役買ったのが『ガイウス・ユリウス・カエサル』またの名を『ジュリアス・シーザー』がおこなった「ガリア遠征」である。
BC58年にカエサルが現在のフランスである「ガリア」へ攻め入った際に、本格的にワインの文化がもたらされたようだ。
ちなみに所説あるが、昔は飲み水の確保が大変だった為、安全に飲めるワインというのは軍の必需品だったようだ。
なので増えていく軍隊を支える為には、ワインの生産量を増やさないといけないので、侵略していくにつれぶどうの栽培面積も増えていったのだろう。
ワインをフランスに広めた功績もあるが、逆にガリア人が使っていた『樽』を逆輸入し、ワインの運送効率の向上や保管が容易になったというメリットももたらされた。
現代ではワインを語る時に欠かせない『樽熟成』が生まれたのはこの文化交流のおかげだったのかもしれない。
あとカエサル絡みでは「賽は投げられた」「来た、見た、勝った」「ブルータス、お前もか」は人生で一度は言ってみたい名台詞である。(最後のセリフはガチで人生で一度しか使えない場合があるので注意だ)
POINT②
『ローマ帝国の繁栄と共に、ヨーロッパにワインが一気に広まる事となった。』
『特に、カエサルの「ガリア遠征」にてフランスに本格的にワインが広まり、ワインと樽の関係もここから始まった。』
キリスト教とワイン
なぜキリスト教とワインがここで結びつくのか?
それは聖書の中でワインのエピソードがけっこう出てくるからだ。
ここではイエス・キリスト絡みの有名なエピソードを紹介しようと思うが、もの凄く簡単に書いてしまうので、気になる方は原典をお読み頂きたい。
カナの婚礼
婚礼に招かれ行ってみると、そこではもうワインが底をつくというハプニングが発生していた!
どうしよう…
そこでイエス・キリストは、かめ一杯に入れた水をワインに変えるという奇跡を起こす。
最後の晩餐
『もう最後かもしれないだろ。だから、全部話しておきたいんだ』という事で十二の弟子にイエスは告げます。
パンを祝福した後に割いて弟子に配り『これは私のからだである。』
次は杯を取って『皆この杯から飲みなさい。これは私の多くの人の為に流す契約の血である。』と言って皆に飲ませたそうだ。
特に『最後の晩餐』のエピソードの影響が大きく、キリスト教の儀式の際はワインが必須のものとなった。
なので当時の修道院が、現在でいうワイナリーの役割りを果たしていた。
ちなみに『ドンペリ』の愛称を持つ『ドン・ペリニヨン』というシャンパンはご存じだろうか?
これはドン・ピエール・ペリニヨンという、シャンパーニュのワインの研究に生涯を捧げた修道士の名前が由来となっている。
そしてキリスト教が『ミラノ勅令』によりローマの国教という後ろ盾を得た事で、迫害される側から保護される形になり、更に勢力を伸ばしていったのである。
これによりワインの需要もどんどん伸びていった事が予想される。
POINT⑤
『最後の晩餐での『パンは我が肉、ワインは我が血』というイエスの言葉から、キリスト教の儀式ではワインが必須のものとなっている。』
『昔の修道院は今でいうワイナリーの役目をはたしていた。』
まとめ
いかがだっただろうか?正直まったく簡潔にまとまっていないのだが許してほしい。
約8000年前から続くワインの歴史。
ワインは文明と共に各地へ伝わり、王の物だったり、軍の必需品だったり、宗教において欠かせない飲み物だったりと、様々な役割を与えられながら今日まで伝わってきた。
その各時代できっと、『俺が作るワインが一番美味しい!』とか、『どうやったらもっと美味しくなるのか?』と研究に費やしてくれた人が必ずいたであろう。
そんな人々の努力のバトンのおかげで、今我々が美味しく、バリエーション豊かなワインを楽しめるのではないだろうか?
そんな歴史には出てこないかもしれないが、確かにワインの歴史に貢献してくれた人々に感謝をしながら8000年の歴史のある飲み物を今日も美味しく、楽しく頂くのである。
今回は以上!ここまで読んでくれて感謝する。
共にいざゆかんワイン道!